2011/07/29

「日本沈没」から学んだこと

小松左京さんが亡くなられた。

中学生の時、小松左京さんの「日本沈没」を読んで、
プレートテクトニクスを知り、はまってしまった私。

ラジオドラマ版の「日本沈没」も毎回聴いたものだった。
声優は主人公の小野寺役を江守徹、田所博士は加藤武だった。
映画も見たし、テレビドラマも見た。
年賀状にまで、映画版の日本沈没のロゴを書いたりしてたし。

その「日本沈没」の中で、田所博士のことばに忘れられない一節がある。
「これまでマグニチュード8.6以上の地震は起こらなかったかもしれん。
これまでの知識にもとづいた理論によるなら、それ以上の地震は、起こり得ない、と考えられるかもしれん。しかし、これから、過去において、1回も 起こらなかったようなことが起こるかもしれない。たとえば、一単位地震体積あたり、5×10の24乗エルグのエネルギーの最大エネルギーをたくわえた地殻 がいくつもならび、それらが一斉にエネルギー放出をやったらどうなるか?そんなことは絶対に起こり得ないといいきれるか?
未来は絶対に、完全にデテイルにいたるまでは、予測し得ない。たとえ、過去、および現在の状態がラプラスの魔神のごとく、全部わかったにしてもだ」



先の東日本大震災はマグニチュード9.0。
上の田所博士の一節を思い出して調べたところ、以前とは計算方法が異なっていることが分かった。
しかしいずれにしても、「過去に一度も起こったことがないことでも、未来に起こり得ないとは言えない」
SF小説の都合のよい理屈として軽んじることができない現実を私たちは今体験した。
巨大地震、想定を超える津波、そして原発事故…。
小松左京さんの思いを忘れずにいたい。
合掌

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