2011/04/03

悲しいときにこそ悲しい唄を


東日本大震災で被災された方々の心中を察すると、軽々にコメントはできないそうにない。
それでも、今朝の朝日新聞の香山リカさんの「時間をかけ 感情と向き合う」に、深い共感をおぼえたことだけでもここに記しておこうと思う。

香山さんは
悲しみの中にいる、あなたへの処方箋(愛妻をガンで亡くされた医師、垣添忠生著)を紹介しながら、「自分だけではない」という具体例と共感することで、気持ちの落ち着きを得ると共に、そこからどう立ち直るのかというときに、著者は次の2点を繰り返し説いていると。
「『悲しむこと』に一心に打ち込むこと」
「我慢や遠慮をせずに、大いに涙を流すこと」
そして、そのための時間と場所を被災されたみなさんがもてることが大切なのだと。

香山さんはいう。
「悲しみを悲しみのまま、抱きしめる。時間をかけてその感情と向き合い、自分なりの自分だけの意味を見つける。そこから始めるしかないが、それは必ず始められるはずなのだ」

次元も程度も全く違うけれど、かつて悲しみに暮れたときにこそ、悲しい唄は自分に寄り添ってくれる気がした。
そうやって悲しい唄を聴き重ねていく中で、背中を押してくれる一曲に出逢って、一歩を踏み出せたことを思い出すのだ。
悲しみの中から、また新しい芽生えがあることを信じて…。

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